遠距離介護を成功させるために

人間関係の構築

まず、親が住んでいる地域の人との関係作りが必要です。都会であればあるほど人間関係が希薄になるので、近隣住民との関係作りが重要になります。直接会う機会は少ないですが、帰省した際にお土産を渡すなどして、関係作りに努めましょう。そうすれば、いざという時に助けてくれます。親戚にも可能な限り顔を合わせて挨拶をしておけば、自分が親の元に行けない時も親身になって助けてくれるはずです。また、地元の友人が近所に住んでいるなら、こちらも関係作りに努めてください。

医療機関の確認

親がお世話になっているかかりつけ医を確認し、定期的に健康診断ができるようにしましょう。かかりつけ医以外にも通院している場合は、該当の医療機関を確認し、保険証のコピーを準備しておきます。大きな病院に通院しているのであれば、系列の施設で介護サービスを提供しているかを確認してください。介護サービスを提供しているなら、いざという時に利用できるかもしれません。

情報を共有する

情報を共有することも大切です。健康状態だけでなく、薬の種類や服用状況、必要な介護の内容、かかりつけ医の情報、緊急時の連絡先など、異常があった際にその場にいる人が速やかに対応できるよう、必要な情報をまとめたものを分かりやすい場所に置いておきます。第三者に見られてはいけない通帳などの保管場所については、介護を担当している責任者間で情報を共有してください。

行政の連絡先

介護に関して困ったことがあった際に、素早く対処できるように地域包括支援センターの場所や連絡先、受けられるサービスを把握しておきましょう。近くに頼れる親戚などがいない場合は、民生委員に相談してください。その際は、担当者の名前や連絡先を必ず記録しておきましょう。

介護休暇・介護休業を活用

会社勤めの人は、介護休暇や介護休業などの制度を確認しましょう。介護休暇では、対象家族が1人の場合は年間5日、2人の場合は年間10日の休みを取得できます。介護休業では、対象家族1人に対して通算で93日の休みを取得可能です。介護休暇や介護休業を利用した際の賃金については、会社ごとに異なります。そのため、担当部署に問い合わせて詳しい内容を事前に確認しておくことが大切です。

費用に関する相談

介護にかかる費用について、親を含めて事前に話し合いましょう。ある日突然親の介護が必要になる可能性もあるので、元気な時に話し合っておくことが大切です。その際に重要なのが、「介護費用は可能な限り親の資産でまかないたい」と伝えることです。あらかじめ経済状況を把握しておけば、金銭トラブルになることもありません。