遠距離介護ではなく地元に戻るケース

遠距離介護をしない人もいる

遠距離介護には様々なメリットがあります。仕事や家庭の都合上、地元に戻れない人もいるでしょう。とはいえ、地元に戻って親の介護をする人も少なくありません。親の介護で地元に戻るケースについて、まずは2つの事例を紹介します。
1つは、実家で1人暮らしをしている親を持つケースです。親が認知症などの理由により介護が必要になった際、兄弟姉妹や頼れる親戚が近くにいない場合、自分が地元に戻ることになります。親の介護は精神的にも身体的にも負担が大きいものですが、それでも自分の手でやり遂げた際には、介護に対して後悔が残ることはないでしょう。
家庭を持っていても、単身で地元に戻るケースもあります。例えば、勤めていた会社の支店が地元にあり、異動願を出して単身赴任をするパターンです。これなら、自分のキャリアを途絶えさせることのないまま、親の介護を続けられます。

地元に戻るメリット

親の介護のために地元に戻る場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。メリットとしてまず挙げられるのは、親の心身状態に合わせた対応が可能な点です。体調を崩したり、ケガをしたりした際も素早く対応できます。認知症による徘徊があっても、行方不明などの深刻な事態に陥る前に対策を講じられるため、安心感があります。親の介護度が低く、ある程度自立しているのであれば、自分の子どもの面倒や家事をサポートしてもらえるといったメリットもあります。
また、介護にかかる費用を抑えられる点も見逃せません。親が持っている家に住むのであれば、家賃がかからずに済みます。賃貸であっても、家賃を折半することで負担を軽減できます。食費や光熱費も減るので、金銭的な余裕が生まれるでしょう。さらに、これまで訪問介護を利用していた場合、自分がそれを行うことで介護にかかる費用を抑えられます。

ケアマネジャーに連絡しやすい

ケアマネジャーや事業者と連絡が取りやすい点も、大きなメリットです。すでに介護サービスを利用している人にとって非常に大切なポイントです。介護サービスを利用しながら生活を送るためには、ケアマネジャーの存在が重要になります。問題が発生した際、最初に相談するのはケアマネジャーです。顔を合わせる機会が増えれば、その分信頼関係を築くことができるため、スムーズに介護を進められるでしょう。同じ種類の介護サービスでも、事業者によって対応は異なります。親の様子を近くで見ることができるので、より希望に合った介護サービスを選べる点も、地元に戻って介護をするメリットです。